保険業務 UATシナリオの作り方 - ①新契約引受(ペット保険) -
- 4月15日
- 読了時間: 5分
更新日:4月25日
目次 ① UATシナリオの考え方(新契約引受) ② 新契約引受のシナリオ分岐観点 ③ 新契約引受(ペット保険)のシナリオ例 ④ 新契約引受(ペット保険)のケース例 ⑤ UAT推進でお困りの方へ
前回は、UATシナリオの作成に向けた大きな考え方を整理しました。
保険業務 UATシナリオの作り方 - ⓪大きな考え方 -
今回は、もう少し深掘って、特定の保険業務領域にフォーカスしてUATシナリオとUATケースを例として作成していきたいと思います。
① UATシナリオの考え方(新契約引受)
ここでは、保険会社の業務領域の中で「新契約引受」のUATシナリオを考えていきます。保険種目は、その他新種「ペット保険」にしたいと思います。ペット保険の申込を受け付け、申込データ取込、引受査定、計上、証券発行、不備対応までの一連の業務を新システムで運用できるかをUATで検証するためのシナリオ・ケースをどのように作っていくかのイメージ例となります。

まずは、基本シナリオを整理すべく、シナリオを分岐させるポイントを考えていきます。シナリオの分岐点とは、組み合わせによって「後続の業務の作業内容・システムの処理内容・アウトプットが変わるポイント」と言えます。
例えば、”どのように申し込まれるか”で、申込データの取込方法が異なります。紙での申込書ならOCRとパンチでの入力、Webでの申込ならフロントシステムからのデータ連携等、UATで検証する業務内容が枝分かれする主な起点を整理していきます。
② 新契約引受のシナリオ分岐観点

ペット保険の基本シナリオの分岐観点を例として整理しました。(各保険会社の業務内容やプロジェクトの種類によって異なるため、あくまで例となります。)
1. 申込経路
①直販 紙申込 ②直販 Web申込 ③代理店 紙申込 ④代理店 タブレット ⑤代理店 紙申込 ⑥代理店 包括契約
2. 商品
①フルカバータイプ ②ライトタイプ ③高齢タイプ ④包括契約
3. 補償プラン
①90% ②70% ③50%
4. 査定結果①引受可 ②引受不可
上記4つの分岐観点のパターンをもとに、基本シナリオを枝分かれして作成していきます。例として、1.申込経路として①直販 紙申込で、2.商品①フルカバータイプの3.補償プラン①90%を引き受けた場合で、4.査定結果で①引受可の業務フローを一つの基本シナリオとして整理します。
基本的には、分岐観点のパターンを掛け算して基本シナリオを作成します。1.申込経路(6パターン)×2.商品(4パターン)×3.補償プラン(3パターン)×4.査定結果(2パターン)だと合計144ケースになりますが、ここから実際に通らないシナリオを考慮します。
例えば、商品③高齢タイプは補償プラン①90%がない場合はシナリオからは削除します。また、ほぼ同じような業務内容となるシナリオがある場合は統合したりして、業務部門リソースも勘案して数を調整していきます。
③ 新契約引受(ペット保険)のシナリオ例


上記のような感じで、スプレッドシートに一つの基本シナリオを1行として整理していきます。これらの基本シナリオの中で、さらに細かに確認していきたい観点を整理していきます。シナリオで分岐させるほどではないが、業務としてあり得るパターンを一つ一つ打ち取っていくイメージです。
例えば、下記のような確認観点があると考えます。 A 資料請求
電話請求/Web請求/営業店 等
B 取込エラー
ファイル名不正エラー/ファイル形式不正エラー/ヘッダー項目数不正エラー/申込番号不正エラー/申込番号重複エラー/商品コードエラー 等C
不備対応
契約者不備/払込情報不備/査定不備/代理店不備/反社不備/クーリングオフ不備/名寄せ候補確認不備 等
D 引受不可事由
反社/引受不可の傷病該当/引受不可の先天性異常/年齢オーバー/重複契約 等
E 告知事項
あり/なし 等
F 多頭割引
多頭割引(5%)/多頭割引(3%)/多頭割引(-150円)/なし
G 名寄せ
あり/なし 等
上記は確認観点のほんの一部で、UATとして(新システムで業務運用できるか)確認しておきたい点を業務担当者と一緒に検討し、業務フローやマニュアルで定められる作業がすべて網羅されるUATシナリオとして作成します。
④ 新契約引受(ペット保険)のケース例
確認観点も含めて、UATシナリオを作成したら各シナリオごとにUATケースを作成していきます。前回の記事でも説明しましたが、UATケースは「シナリオを構成する個々の確認手順(具体的にどんな操作して何を確認するか)」を定義したものです。
作成したUATシナリオごとに、”システムにデータを入力する”、”入力内容を確認する”、”査定を実施する”、”査定結果を承認する”というような粒度でUATケースを定義していきます。概ねユーザーインターフェーズごと・業務担当者ごとくらいの粒度になると思います。UATの計画を立てる際には、UATケースごとに、テスト担当者・実施日・テスト結果(OK/NG)を管理して推進していきます。

上記は、ペット保険の新契約引受の中の一つのUATシナリオのUATケース例です。新契約引受の業務フローに沿って、シナリオで定めた業務パターンを検証できるように整理していきます。また、シナリオに含めた確認観点も消化できるようにケースを作成します。
一つのUATケースごとに打鍵内容と検証項目(OKとなる条件)を定義し、1ケースに対してテスト実施と結果が管理できるようなフォーマットとします。上記のUATケース表はシナリオの数だけ作成することになるので、作成工数も踏まえてどのくらい細かく定義するかも考慮して進めます。
⑤ UAT推進でお困りの方へ
以上、UATシナリオ・ケースの作成方法を解説しました。実際のUATの推進でお困りの方、まずは壁打ち相手等でご相談に乗りますので、お気軽にご連絡ください。
UATシナリオ作成の基本的な考え方はこちらへ
(保険業務 UATシナリオの作り方 - ⓪大きな考え方 -)



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