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【保険代理店業務_C】計上 - 新契約 -(New Business)

  • 21 時間前
  • 読了時間: 14分

保険代理店の「計上(新契約)」は、募集(相談・提案)を経て顧客が加入する保険を決定した後、申込みを受け付け、保険会社による引受査定を経て契約が成立するまでを支援・管理する業務です。申込内容の確認、申込書・電子申込データの作成、告知手続きの案内、必要書類の点検、保険料支払手続き、保険会社からの照会への対応、契約成立の確認などが含まれます。 保険会社の新契約業務との大きな違いは、「保険を引き受けるかどうか」を最終的に判断する主体が保険会社である点です。


代理店は引受査定そのものを行うのではなく、顧客から必要な情報・書類を正確に受け取り、保険会社へつなぎ、査定結果や追加手続きを顧客へ案内する役割を担います。 また、生命保険の告知では、一般に生命保険募集人(代理店を含む)には告知受領権がありません。そのため、代理店が顧客に代わって健康状態を判断したり告知内容を作成したりするのではなく、告知の重要性や正しい手続き方法を説明し、顧客本人による告知を支援することが重要です。 ここでは、計上(新契約)を「申込手続き」「告知手続き支援」「申込書類点検」「保険料支払手続き」「引受査定対応」「契約成立管理」の6つに分けて整理します。



C-1. 申込手続き(Application Processing)

顧客が加入する商品・プランを決定した後、正式な申込みとして必要な情報を整理し、保険会社へ提出する業務です。 募集(相談・提案)で確認した顧客の最終意向と申込内容が一致していることを確認したうえで、契約者・被保険者情報や契約内容を申込書・電子申込画面等に反映し、必要な署名・同意や本人確認書類を取り付けます。また、申込みの際には、法律で定められたクーリング・オフ(申込みの撤回等)に関する説明書面もあわせて交付されます。


C-1-1. 申込内容の最終確認
  • 申込みを予定している保険会社、商品、保障・補償内容、保険金額、保険期間、保険料、特約等について顧客と最終確認を行います。B「募集(相談・提案)」で確認した最終意向と申込内容に相違がないことも確認します。


C-1-2. 申込書・電子申込データの作成
  • 紙の申込書や保険会社の代理店システム・Web申込画面等を利用して、申込みに必要な情報を作成します。電子申込では入力時のチェック機能を利用できる場合もありますが、入力内容そのものの正確性を確認することは引き続き重要です。


C-1-3. 契約者・被保険者情報の入力
  • 契約者・被保険者の氏名、生年月日、住所、連絡先等を入力します。損害保険では、これに加えて車両、建物、所在地、用途など保険の対象となる情報を登録する場合があります。


C-1-4. 本人同意・署名の取得
  • 申込内容を顧客に確認してもらい、所定の方法で署名や電子署名、同意を取得します。契約者と被保険者が異なる死亡保険等では、保険法上、契約成立の要件として被保険者本人の同意が必要になる場合があるため、この点もあわせて確認します。


C-1-5. 本人確認書類の取得
  • 運転免許証、マイナンバーカード等、所定の本人確認書類を取得・確認します。契約内容や取引の種類に応じて必要となる確認を行い、不備がない状態で申込手続きを進めます。


C-1-6. 保険会社への申込データ送信
  • 作成した申込データ・書類を保険会社へ送信・提出します。電子申込ではオンラインで直接送信するケースが多く、紙申込では所定の方法で書類を提出します。送信後は受付状況も確認します。


業務の特徴と難しさ

募集から新契約への「受け渡し」が重要
  • B「募集(相談・提案)」で確認した顧客意向や提案内容が、C「計上(新契約)」の申込内容に正しく反映される必要があります。商品・保険金額・特約等の転記や選択を誤ると、顧客が希望した内容とは異なる契約になる可能性があります。


生保・損保で入力する情報が大きく異なる
  • 生命保険では契約者・被保険者・保障内容等が中心になる一方、損害保険では車両・建物・事業内容等、保険対象に関する詳細情報が必要になります。代理店には種目ごとの申込要件を正確に理解することが求められます。



C-2. 告知手続き支援(Disclosure Support)

保険契約の申込みにあたり、顧客が必要な告知を正しく行えるよう手続きを支援する業務です。特に生命保険・医療保険等では、被保険者の健康状態、傷病歴、職業等に関する告知が引受査定の重要な情報となります。 生命保険では、一般に生命保険募集人(代理店を含む)には告知受領権がありません。そのため、募集人が顧客から口頭で健康状態を聞いて告知を受けたことにしたり、顧客に代わって告知事項の該当・非該当を判断したりするものではありません。代理店の役割は、告知の重要性や方法を説明し、顧客本人が保険会社所定の方法で正しく告知できるよう支援することです。


C-2-1. 告知の重要性の説明
  • 告知が引受判断の重要な前提となることや、事実と異なる告知等があった場合には契約や保険金・給付金の支払いに影響する可能性があることを説明します。顧客が告知の意味を理解したうえで手続きを行えるようにします。


C-2-2. 告知方法・手順の案内
  • 告知書、電子告知、医師による診査等、保険会社・商品ごとに定められた告知方法と手順を案内します。募集人自身が告知内容の該当・非該当を判断するのではなく、判断に迷う場合は保険会社所定の方法で確認するよう案内します。


C-2-3. 健康診断書などの必要書類案内
  • 申込内容や保険金額、告知内容等に応じて健康診断書、人間ドック結果等の提出が必要となる場合に、保険会社から求められた書類や取得方法を顧客へ案内します。


C-2-4. 診査・面接士対応の案内
  • 医師による診査や生命保険面接士による確認等が必要な場合に、実施方法、場所、日程、準備事項等を案内し、顧客が手続きを進められるよう調整・支援します。


C-2-5. 告知手続きの実施状況確認
  • 顧客による告知や診査等が完了しているかを確認し、未完了の場合は必要な手続きを案内します。代理店が告知内容を評価するのではなく、保険会社の査定に必要な手続きが完了しているかを確認します。


業務の特徴と難しさ

「支援」と「告知への介入」を区別する必要がある
  • 顧客から「これは告知しなくてもよいか」と質問される場面もありますが、募集人が自己判断で告知の要否を決めることは適切ではありません。告知方法を丁寧に案内しつつ、告知そのものは顧客本人と保険会社の間で適切に行われるようにする必要があります。


顧客にとって心理的な負担が大きい
  • 健康状態や既往症等はセンシティブな情報であり、顧客が不安を感じやすい領域です。プライバシーに配慮しながら、正しい告知が契約者保護にもつながることを分かりやすく説明することが重要です。



C-3. 申込書類点検(Application Review)

保険会社へ提出する申込書類・申込データについて、記載漏れや不整合、必要書類の不足がないかを点検する業務です。 新契約手続きでは、一つの不備でも保険会社から代理店への照会や顧客への再確認が発生し、契約成立までの時間が延びることがあります。そのため、保険会社へ提出する前後で必要なチェックを行い、不備を早期に解消することが重要です。


C-3-1. 記入・入力内容の確認
  • 契約者・被保険者情報、商品、保障・補償内容、保険金額、保険期間、保険料、保険対象等について、申込内容どおりに記入・入力されているかを確認します。


C-3-2. 署名・同意の確認
  • 契約者・被保険者等から必要な署名・同意が取得されているかを確認します。電子申込の場合は、所定の電子的な確認・同意手続きが完了しているかを確認します。


C-3-3. 必要書類の確認
  • 本人確認書類、車検証、建物関係書類、健康診断書等、契約・商品に応じて必要となる添付書類が揃っているかを確認します。


C-3-4. 記載漏れ・不整合の確認
  • 必須項目の未入力、日付や住所の不一致、申込内容と添付書類の不整合等がないかを確認します。必要に応じて顧客へ確認し、訂正手続きを行います。


C-3-5. 募集記録との整合性確認
  • B「募集(相談・提案)」で記録した最終意向、提案商品、保障・補償内容等と、実際の申込内容が整合しているかを確認します。募集記録と申込内容がつながっていることは、適切な募集プロセスを確認するうえでも重要です。


C-3-6. 不備の訂正・再提出対応
  • 保険会社から不備や追加確認の連絡があった場合、内容を確認して顧客へ連絡し、訂正・追加書類の取得等を行ったうえで再提出します。


業務の特徴と難しさ

不備は顧客・代理店・保険会社すべての負担になる
  • 不備が発生すると、保険会社から代理店、代理店から顧客への確認が往復し、契約成立までの時間が長くなります。申込時点での正確な確認が、後工程の業務効率と顧客体験の双方に大きく影響します。


電子化しても確認業務はなくならない

  • 電子申込により未入力や形式エラーは減らせますが、「顧客が希望した内容になっているか」「募集記録と整合しているか」といった業務判断は残ります。入力チェックと業務上の確認を分けて考えることが重要です。



C-4. 保険料支払手続き(Premium Payment Processing)

新契約に伴う保険料の支払方法を顧客へ案内し、必要な登録や初回保険料の支払い状況を確認する業務です。 保険料の払込方法や初回保険料の取扱い、保障・補償の開始時期との関係は、保険会社・商品・契約方式によって異なります。そのため、代理店では対象契約の取扱いに沿って正確に案内する必要があります。


C-4-1. 保険料支払方法の案内
  • 口座振替、クレジットカード、振込等、利用可能な保険料の支払方法を案内し、顧客の希望する方法を確認します。


C-4-2. 口座振替・クレジットカードの登録
  • 顧客が選択した支払方法に応じて、口座情報やクレジットカード情報等の登録手続きを案内・支援します。登録情報の取扱いには十分な注意が必要です。


C-4-3. 初回保険料の案内
  • 初回保険料の金額、支払方法、支払期限等を顧客へ案内します。生命保険では、「申込」「告知」「初回保険料の払込」の3つが揃った時点で契約上の保障が開始するという考え方(いわゆる責任開始の三要件)が一般的で、この関係を顧客にわかりやすく説明することが重要です。


C-4-4. 保険料入金状況の確認
  • 保険会社から提供される情報等をもとに、必要な初回保険料が支払われているかを確認します。未入金や登録エラー等がある場合には原因を確認します。


C-4-5. 未入金時の顧客連絡
  • 支払期限までに必要な保険料の入金が確認できない場合や、口座・カード登録に不備がある場合に顧客へ連絡し、再手続きや支払い方法を案内します。


業務の特徴と難しさ

責任開始との関係を正確に理解する必要がある
  • 申込、告知、保険会社の承諾、保険料払込みと責任開始の関係は、商品や契約方式によって異なります。「申込みをしたから保障が始まっている」と顧客が誤認しないよう、対象契約の取扱いに沿って説明することが重要です。


顧客対応と収納管理の境界
  • C-4では新契約時の支払手続きを扱います。契約成立後の継続保険料の入金確認・督促等はD「契約保全」の保険料収納管理、代理店全体で保険会社と行う精算はH「経営管理・バックオフィス」の保険料精算として整理します。



C-5. 引受査定対応(Underwriting Support)

保険会社が行う引受査定について、進捗を確認し、追加情報や追加書類の依頼、査定結果等を顧客へつなぐ業務です。 生命保険では健康状態・職業・既契約等、損害保険では車両・建物・所在地・用途・事故歴・事業内容等をもとに保険会社がリスクを評価します。代理店は査定結果を決定する立場ではなく、顧客と保険会社との間で必要な情報を正確に連携する役割を担います。


C-5-1. 申込受付状況の確認
  • 保険会社に申込データ・書類が正常に受け付けられているかを確認します。受付されていない場合や処理が止まっている場合は原因を確認します。


C-5-2. 引受査定の進捗確認
  • 申込みが査定中、追加確認中、査定完了等のどの段階にあるかを確認します。契約成立まで時間がかかる場合には、必要に応じて顧客へ状況を案内します。


C-5-3. 保険会社からの照会対応
  • 保険会社から申込内容や募集経緯等について照会があった場合、照会内容を確認し、代理店で回答できる事項は回答します。顧客本人への確認が必要な事項は、顧客へ正確に確認したうえで保険会社へ連携します。


C-5-4. 追加書類・追加情報の案内
  • 査定のために健康診断書、対象物に関する資料、事故歴に関する情報等の追加提出が求められた場合、必要な内容と提出方法を顧客へ案内し、取り付けを支援します。


C-5-5. 条件付き承諾内容の説明
  • 保険会社から保険料の割増、特定部位・特定疾病の不担保、免責条件等を付した引受条件が提示された場合、その内容を顧客へ案内します。顧客が条件を理解したうえで契約するか判断できるよう支援します。


C-5-6. 引受不可・契約延期時の顧客対応
  • 保険会社が引受不可や契約延期等を判断した場合、その結果を所定の範囲で顧客へ伝え、必要な手続きを案内します。必要に応じて、顧客の意向を改めて確認したうえで別の保障・補償方法を検討します。


業務の特徴と難しさ

引受判断は代理店ではなく保険会社が行う
  • 代理店は顧客に最も近い立場ですが、引受可否や引受条件を独自に約束することはできません。「おそらく加入できる」などの先回りした説明が顧客の誤解につながらないよう、保険会社の正式な査定結果に基づいて案内する必要があります。


査定結果が顧客の期待と異なることがある
  • 条件付き承諾や引受不可となった場合、顧客にとって心理的な負担が生じることがあります。結果を正確に伝えながら、次に取り得る手続きや選択肢を整理して案内することも代理店の重要な役割です。


生保・損保で査定内容が大きく異なる
  • 生命保険では医務・環境面の査定が重要となる一方、損害保険では保険対象物や事故歴、業種等のリスク評価が中心になります。生損保を扱う代理店では、それぞれの査定プロセスを理解した対応が必要です。



C-6. 契約成立管理(Policy Issuance Management)

保険会社による引受査定が完了した後、契約が成立・計上されたことを確認し、成立した契約内容を顧客へ案内するとともに、代理店側の顧客・契約情報や新契約書類を整備する業務です。 ここは新契約業務の終点であると同時に、D「契約保全」の始点でもあります。成立した契約情報が正しく管理されていなければ、将来の住所変更、満期・更改、保険金・給付金請求等の顧客対応にも影響するため、確実な確認が重要です。


C-6-1. 契約成立・計上状況の確認
  • 保険会社側で引受査定・成立処理が完了し、契約として正式に計上されているかを確認します。申込中のまま滞留している案件や未完了案件がないかも確認します。


C-6-2. 契約日・責任開始日の確認
  • 契約日や保障・補償が開始する日を確認します。申込日と契約日・責任開始日が必ずしも同じとは限らないため、保険会社の成立情報に基づいて確認します。損害保険では、口座振替等により初回保険料の引落しが契約日より後になる場合があり、保険料の払込状況と契約日・始期の関係にずれが生じないよう確認します。


C-6-3. 契約内容の最終確認
  • 成立した商品、保障・補償内容、保険金額、保険期間、保険料、特約、保険対象等について、申込内容・査定結果と一致しているかを確認します。


C-6-4. 保険証券・契約書類の確認
  • 保険会社から発行・提供される保険証券や契約内容のお知らせ等について、必要に応じて発行状況・内容を確認します。証券発行そのものは保険会社の業務ですが、代理店では顧客への案内に必要な状態を確認します。


C-6-5. 顧客への成立連絡
  • 契約が成立したことを顧客へ連絡し、契約内容、責任開始日、証券・契約書類の確認方法等を案内します。条件付き承諾の場合は、成立した条件についても改めて確認します。


C-6-6. 顧客・契約情報の登録
  • 成立した契約を代理店の顧客情報・契約情報として登録し、既存顧客や世帯・法人等と適切に紐付けます。以後の保全・満期更改・請求支援等で利用する基礎情報になります。


C-6-7. 新契約書類・募集証跡の保管
  • 申込書類、募集記録、顧客の意向に関する記録、必要な同意・説明の証跡等を所定の方法で保管します。後日の顧客照会、募集品質の点検、監査等に対応できる状態にします。


業務の特徴と難しさ

「申込済み」と「成立済み」を区別する必要がある
  • 申込書を提出しただけでは、保険会社の引受査定や必要な手続きが完了していない場合があります。代理店では申込案件を成立まで追跡し、未完了の案件を放置しない管理が重要です。


後続業務の基礎データになる
  • 新契約で確定した契約情報は、D「契約保全」やE「支払(保険金・給付金請求支援)」で利用する基本情報になります。登録漏れや内容の誤りがあると、その後の顧客対応にも影響します。


顧客にとっては契約後が保険との長い付き合いの始まり
  • 代理店にとって新契約成立は営業成果の一つですが、顧客にとっては保障・補償が始まるスタート地点です。成立連絡をもって終わりにせず、契約内容の確認や今後の問い合わせ方法を案内し、D「契約保全」の継続的な顧客対応につなげることが重要です。



まとめ


保険代理店の計上(新契約)は、顧客から申込みを受け付けて保険会社へ送信するだけの事務作業ではありません。 申込内容を正確に作成・点検し、必要な告知や保険料支払手続きを支援し、保険会社の引受査定中に発生する照会・追加書類へ対応しながら、契約が正式に成立するまで案件を管理する一連の業務です。


一方、保険を引き受けるかどうかの査定、引受条件の決定、契約の成立処理、保険証券の発行そのものは保険会社が担います。代理店は顧客と保険会社の間に立ち、必要な情報を正確につなぎ、顧客が安心して契約手続きを完了できるよう支援する役割を担います。


契約が成立した後は、次の「D. 契約保全」として、契約情報の管理、住所・名義・保障内容等の変更、満期・更改、保険料収納のフォロー、解約・失効、継続的なアフターフォローへと業務がつながっていきます。




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