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【保険業務BPR】 ③To-Be検討(例)

  • 執筆者の写真: 俊輔 藤﨑
    俊輔 藤﨑
  • 2 日前
  • 読了時間: 5分

現状業務(As-Is)の整理と課題・ニーズの洗い出しが終わったら、いよいよ「あるべき姿(To-Be)」を描き、それを実現するための「武器(ソリューション)」を特定するフェーズに入ります。昨今のDXブームも受けて、単なる改善に留まらず、保険業界のトレンドやテクノロジーをどう実業務に落とし込むかが問われることが多いです。ただ、意識したいことは、きちんと実行できる施策を検討する、ということです。構想や計画が立派でも実行されなければ効果は発現しませんし、そのようなケースは多々あります。最新トレンドを盛り込むことも求められますが、主要な課題を解決できる打ち手は、流行のソリューションではなかったりすることが多いです。


①. 目指す姿(全体像)の定義

打ち手を検討する前に、BPRを通じて実現したい「目指す姿」を整理して、関係者と共有します。洗い出した課題・ニーズを解決した先に、どのような状態になっているのか、業務部門としてどんな価値を提供できるようになるのかを言語化します。例えば、損害サービス業務であれば、「事故対応のリードタイム30%削減」、「顧客満足度向上(NPS+10pt)」、「担当者の高付加価値業務へのシフト」等、定量・定性の両面で目指す姿を明確にします。この全体像は、後続の打ち手検討において判断軸となります。複数の打ち手案が出てきた際に、「目指す姿に対してどれが最も貢献するか」という視点で評価できるようにしておくことが重要です。クライアント側の経営方針や中期経営計画等も参照しながら、プロジェクト開始時に設定した目的・スコープとも整合させて定義します。


②. 課題解決の方向性(打ち手のコンセプト)定義

洗い出した課題に対して、どのような方向性で解決していくか(打ち手の切り口)を整理します。よく、最新のソリューションをどのように利用するかという、技術起点の打ち手になってしまっているケースを見ますが、あくまで課題を解決する方法としてのビジネス視点での打ち手として整理していきます。よくある考え方としては、「業務プロセスの見直し(簡素化・統合・廃止)」、「IT/システムの活用(RPA・AI・クラウド等)」、「組織・人材の最適化(役割分担・スキル向上)」、「ルール・基準の見直し(標準化・自動化)」等をベースに打ち手を整理していきます。また、課題仮説の検討時に使用した観点を再度活用して、各観点での打ち手候補を構造的に整理していくと漏れが少なくなります。この段階では、まだ具体的なソリューション製品名を挙げるのではなく、「どういうアプローチで課題を解決するか」という方向性レベルで整理します。


③. ソリューション調査

整理した打ち手の方向性に沿って、具体的なソリューションや他社事例を調査していきます。調査ソースとしては、ITベンダーのWebサイト・ホワイトペーパー、業界誌・専門メディア、過去の他プロジェクト事例、コンサルファーム内のナレッジベース、他社の公開情報(IR資料・プレスリリース)等を活用します。調査のポイントは、「保険業界での導入実績があるか」「類似課題を解決した事例か」「技術的な実現可能性」「概算費用感」の4点です。保険業務は規制業種であり、個人情報を大量に扱うため、金融業界での実績があるソリューションを優先的に調査します。また、全く新しいテクノロジーを導入するのではなく、既に一定の実績があるソリューションの方が実現性・費用面で有利なケースが多いです。調査したソリューションは、「ソリューション名称」「提供ベンダー」「主な機能・特徴」「保険業界での導入事例」「想定される導入効果」「概算費用感」を整理してデータベース化します。この段階ではまだ詳細な要件定義や見積取得は行わず、幅広く候補を集めることを優先します。


④. 課題と打ち手のマッピング

洗い出した課題と打ち手の方向性と調査したソリューション事例を紐付けて、「どの課題にどの打ち手が有効か」をマッピングしていきます。一つの課題に対して複数の打ち手が考えられるケースも多いですし、逆に一つの打ち手で複数の課題を解決できるケースもあります。マッピングの際は、課題の優先度(前フェーズで整理した重み付け)と打ち手の実現性・インパクトを考慮します。例えば、優先度「高」の課題に対しては、実現性が高く効果も大きい打ち手を複数用意しておきます。優先度「中」「低」の課題については、他の打ち手と併せて実施することで追加コストをかけずに解決できるものを優先的に検討します。 下記は、損害サービス業務の課題に対する打ち手案をマッピングした例です。


課題に対する打ち手のコンセプト(損害サービス業務)例
課題に対する打ち手のコンセプト(損害サービス業務)例
課題に対する打ち手のコンセプト(損害サービス業務)例
課題に対する打ち手のコンセプト(損害サービス業務)例

左側に課題(プロセスや関係者で構造化したもの)、右側に打ち手の方向性とソリューション事例を配置し、矢印で紐付けていきます。一つの課題に対して、短期的に実施できる打ち手と中長期的に検討すべき打ち手を分けて整理するケースもあります。


下記は、募集業務の課題に対する打ち手案を整理した例です。

課題に対する打ち手のコンセプト(募集業務)例
課題に対する打ち手のコンセプト(募集業務)例

打ち手のコンセプト(募集業務)例
打ち手のコンセプト(募集業務)例

あまり本質的ではありませんが、打ち手案のアウトプットは報告書だけでなく、クライアント側の事業計画書に使われることも多いので、なるべくキャッチーかつイメージで分かるような資料としてまとめられると良いです。(難しいですけど、)


「あるべき姿(To-Be)」を描いたら、マッピングした打ち手の内容を具体化していきます。


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