【保険業務BPR】⑥実行計画(例)
- 35 分前
- 読了時間: 4分

費用対効果の概算を行って、BPRプロジェクトにおける施策の優先順位をすり合わせしたら、構想策定フェーズの最終ステップとして「実行計画」を策定します。ケースバイケースですが、詳細スケジュールや体制は各施策ごとに精緻な計画を策定することが多く、スコープとなっているプロジェクト全体の大きな進め方をロードマップとして整理するイメージ。描いた目指す姿を実現するために、今後どのような順序で施策を実行していくのかを関係者と認識合わせして、プロジェクトをクローズします。
①. 全体ロードマップの策定
構想策定フェーズで整理した全施策を時間軸に沿って配置し、全体のロードマップを策定します。ロードマップは、経営層や事業部門に対して、今後3~5年間でどのような順序で施策を実施していくのかを視覚的に示す成果物なので、関係者とコミュニケーションを取りながら仕上げていきます。費用対効果等の評価軸で決定した優先順位をベースに、施策の実施順序を決めます。ただし、優先順位だけでなく、施策間の依存関係(施策Aが完了しないと施策Bが開始できない等)や、リソース制約(同時並行で実施できる施策数)も考慮します。例えば、「基盤システム刷新」が完了しないと「AI-OCR導入」ができない場合、ROIが高くても後者を先に実施することはできません。このような技術的依存関係を整理した上で、実施順序を決定します。また、 全施策を一度に実施することは現実的ではないため、複数のフェーズに分けて段階的に実施する計画とします。できればでよいですが、各フェーズの大まかな開始・終了時期を明確にし、フェーズごとの目標(マイルストーン)も設定します。
下記は、全体ロードマップのイメージです。

横軸に時間(年度・四半期)、縦軸に施策を配置し、各施策の実施期間を矢印やバーで表現します。必要に応じて施策間の依存関係は点線で示し、マイルストーンも明記します。この段階では、月単位の詳細スケジュールまでは不要で、四半期や半期レベルの大まかな計画で十分なケースが多いです。
②. 次年度(直近)の実行計画
全体ロードマップで3~5年間の大きな流れを示したら、次は直近(次年度または次フェーズ)で実施する施策について、もう一段具体的に整理します。ただし、構想策定フェーズではまだ詳細な要件定義は行わないため、大まかな実施内容とスケジュール感を示すレベルで問題ないケースが多いです。
優先度が高く、早期に効果が見込める施策を中心に、実施内容を月単位くらいの粒度で整理します。詳細なWBSは、各ベンダーと調整しながら次フェーズで作成するため、この段階では主要なステップと期間の目安を示し、ベンダーへのRFPのインプットにする資料とすることが経験上多いです。

上記に表現しきれてませんが、次フェーズ以降の一般的なタスクとして
・要件定義(業務要件/システム機能要件の整理/非機能要件の整理)
・ベンダー選定(RFP作成/提案評価・選定/契約締結)
・設計・開発(基本設計/詳細設計/開発/テスト/導入準備)
・本番稼動(データ移行/並行稼動/本番切替)
・効果測定・改善(KPI測定/課題対応/改善)
などがあげられます。
③. 実施体制の整理
次年度以降のプロジェクトを推進するための体制を大まかに整理します。この段階では、詳細な役割分担や人員配置までは決めず、必要な体制の骨格を示すレベルでOKだと思います。各役割の大まかな責任範囲と報告ラインを示し、ステコミやプロジェクトオーナーが明確な場合は組織の役職名等を記載し、必要に応じて人員規模(○名程度)も明記します。
④. 今後の検討事項の整理
構想策定フェーズで整理しきれなかった検討事項や、次フェーズで詳細化が必要な事項を一覧化します。検討事項一覧は、次フェーズへの引継ぎ事項として重要です。各検討事項に対して「検討の方向性(現時点の想定)」「検討時期(次フェーズのどのタイミング)」を記載した上で、カテゴリ別に整理し、優先度(高・中・低)も付けておくと、次フェーズでの検討順序が明確になります。
以上、保険業務BPRプロジェクトの構想策定アプローチを整理しました。現状を整理し(①)、課題を抽出し(②)、ソリューションを検討し(③)、具体策を練り(④)、数字で裏付け(⑤)、道筋を示す(⑥)これらを最後に最終報告書としてまとめ、経営層(ステアリングコミッティ)に最終報告を行い、次フェーズ実行の承認を取得します。



コメント