損害保険の三利源

損害保険の三利源

保険料は、保険金に充てられる「純保険料」と必要経費等に充てられる「付加保険料」に分かれます。契約者の利益を保護するために「高すぎず」、また、保険会社の支払い能力を確保するために「低すぎず」、契約者間の公平を確保するために「不当に差別的であってはならない」という3つの原則に基づき、各保険会社が算定しています。「純保険料」は保険金に充当され、「付加保険料」は社費・代理店手数料・適正な利潤に充当されます。

保険料の計算には、「予定損害率」「予定事業費率」「予定利率」の3つの予定率が計算の基礎として用いられています。料率計算時の損害率・事業費率・利率が、見込みより少なかった（利率は多かった）場合、 「危険差益」「費差益」「利差益」となり、保険会社の利源となります

◇ 危険差益 ： 見込んでいた損害額よりも、実際の損害額が少なかった場合に発生する利益

◇ 費差益 ： 見込んでいた事業費よりも、実際の事業費が少なくてすんだ場合に発生する利益

◇ 利差益 ： 見込んでいた運用収入よりも、実際の運用収入が多い場合に発生する利益

大まかに述べると、「予定損害率」をもとに「純保険料」を算出し、「予定事業費率」をもとに「付加保険料」を算出します。「純保険料」と「付加保険料」の割合は、60:40から70:30程度です。

参考準率

損害保険会社は、大数の法則を最大限活用するため、純保険料部分について「損害保険料率算出機構」が算出する「参考純率」を計算の基礎としています。 保険会社から収集した大量の契約・支払データの他、各種外部データも活用して算出され、会員保険会社に提供されています。