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日本における保険自由化の流れ

  • 執筆者の写真: 俊輔 藤﨑
    俊輔 藤﨑
  • 2 日前
  • 読了時間: 2分

日本では戦後長らく“護送船団方式”が取られてきましたが、金融ビックバンによる1996年の保険業法改正を契機に市場原理が本格導入され、保険業界は大きく変貌しました。 保険自由化によって、変貌した主なポイントは以下です。

◇生損保の相互参入

子会社方式により、生命保険会社と損害保険会社が互いの分野に参入可能へ

◇商品・料率の自由化

保険商品の開発や保険料率の設定が届出制となり、各社が独自に設定する形式へ

◇保険ブローカー制度の導入

保険仲立人制度が導入され、保険商品の販売における選択肢が拡大

◇ソルベンシー・マージン基準の導入

保険会社の健全性を評価するための新たな指標が導入

◇保険契約者保護基金の創設

保険会社の破綻時に契約者を保護する制度が設置


また、その後も保険業法が改正され、銀行窓販の解禁や代理店手数料体系の自由化が実施され、保険商品の幅の拡大・販売チャネルの多様化が一層進みました。


一方で、保険会社間・代理店間の競争激化に伴い、不適切な販売が増加したことや2005年頃に表面化した保険金不払い問題等に端を発して、契約者保護の強化に向けた法整備も進みました。その後の保険業法の改正によって、不適切な販売を防止するための規制強化(意向把握義務や情報提供義務の強化)、金融庁による監督強化等によって、契約者保護の仕組みは現在も進化し続けています。


最近では、大規模代理店の保険金の不正請求、顧客本位ではない比較推奨販売、保険会社の過度な便宜供与が大きな問題となり、2025年にも改正保険業法が成立しました。

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