保険業務 UATシナリオの作り方 - ④代理店管理 -
- 5月1日
- 読了時間: 5分
目次
① UATシナリオの考え方(代理店管理)
② 代理店管理のシナリオ観点
③ 代理店管理のシナリオ例
④ 代理店管理(募集人登録)のケース例
⑤ UAT推進でお困りの方へ
前回までは、UATシナリオの作成に向けた大きな考え方、新契約引受(ペット保険)のUATシナリオ例、保険金支払(医療保険)、異動(自動車保険)のUATシナリオ例を紹介しました。
今回は、UATシナリオ作成の考え方が少し異なる業務領域をピックアップし、代理店管理業務でのUATシナリオとUATケースを例として整理していきたいと思います。代理店業務とは、代理店の登録や募集人の登録・資格を一元管理する業務です。
詳しくは、【生保業務_か】 代理店管理 (Agency Management)を参照ください。
① UATシナリオの考え方(代理店管理)
それでは、代理店管理におけるUATシナリオを考えていきたいと思います。代理店登録・管理、募集人登録・管理、手数料精算等の一連の業務を新システムで運用できるかをUATで検証するためのシナリオ・ケースをどのように作っていくかを整理します。

前回までの新契約引受や保険金支払では、UATの基本シナリオを整理すべく、シナリオを分岐させるポイントを考えていきました。繰り返しますが、シナリオの分岐点とは「後続の業務の作業内容・システムの処理内容・アウトプットが変わるポイント」と定義します。
しかし、業務領域によっては最初の流入経路や引き受ける保険商品等で後続の業務内容が変わらず、常に一定の業務フローで運用される業務もあります。例えば、代理店管理の募集人登録業務は、保険会社の他に保険協会や金融庁(財務局)も含めたフローとなっており、基本的には決まった流れの中で運用をしています。代理店登録、手数料精算も原則決まった方法・流れに沿って業務を行ってます。こういう場合は、業務を洗い出した上で、各業務の足し算をしてUATシナリオを整理していきます。
(もちろん、各業務の中に複数パターン存在するケースもあるので、その場合はシナリオを分岐させます。)
② 代理店管理のシナリオ観点

代理店管理の基本シナリオを例として整理しました。 (各保険会社の業務内容やプロジェクトの種類によって異なるため、あくまで例となります。業務としては、他に点検・監査や手数料査定等があります。)
1. 代理店・募集人登録 ①代理店新規登録(代申・乗合) ②筆頭者以外の代表者_新規(代申) ③新規募集人登録(代申) ④新規募集人登録(乗合)
2. 代理店・募集人管理
①代申変更 (当社→他社) ②代申変更(他社→当社) ③商号変更 ④届出住所変更 ⑤筆頭者変更 ⑥乗合追加(他社追加) ⑦乗合削除 ⑧廃業_業務廃止(代申のみ) ⑨同時廃業(乗合) ⑩募集人_追加 ⑪募集人_廃止 ⑫募集人_氏名変更・生年月日変更 ⑬筆頭者以外の代表者変更 ⑭登録届出不要事項の変更
3. 店舗管理
①店舗追加 ②店舗情報変更 ③店舗削除
4.資格管理
①全募集人データの取り込み ②募集人資格有効期限確認 ③募集前研修履修状況管理
5.手数料精算
①精算処理 ②精算処理_差額請求 ③精算処理_特認申請 ④手数料明細書
上記5つの業務分類のパターンをもとに、基本シナリオを作成していきます。 今回は、シナリオ分岐を掛け算するのではなく、1.代理店・募集人登録の①代理店新規登録を一つの基本シナリオとして各業務を足し合わせていきます。
1.代理店・募集人登録(4パターン)+2.代理店・募集人管理(14パターン)+3.店舗管理(3パターン)+4.資格管理(3パターン)+5.手数料精算(4パターン)だと合計28ケースになりますが、ここから各業務パターンの中でシナリオを分ける必要がある場合は、シナリオを増やしていきます。例えば、①代理店新規登録で代理申請会社のケースと乗合会社のケースで分けたりして、シナリオを整理していきます。
③ 代理店管理のシナリオ例

上記のような感じで、スプレッドシートに一つの基本シナリオを1行として整理していきます。これらの基本シナリオの中で、さらに細かに確認していきたい観点を整理していきます。シナリオで分岐させるほどではないが、業務としてあり得るパターンを一つ一つ打ち取っていくイメージです。例えば、代理店の分類、募集人の分類、不備内容等で確認したい観点を各シナリオに記載していきます。
上記は確認観点のほんの一部で、UATとして(新システムで業務運用できるか)確認しておきたい点を業務担当者と一緒に検討し、業務フローやマニュアルで定められる作業がすべて網羅されるUATシナリオとして作成します。
④ 代理店管理(募集人登録)のケース例
確認観点も含めて、UATシナリオを作成したら各シナリオごとにUATケースを作成していきます。前回の記事でも説明しましたが、UATケースは「シナリオを構成する個々の確認手順(具体的にどんな操作して何を確認するか)」を定義したものです。
作成したUATシナリオごとに、”システムにデータを入力する”、”入力内容を確認する”、”査定を実施する”、”査定結果を承認する”というような粒度でUATケースを定義していきます。概ねユーザーインターフェーズごと・業務担当者ごとくらいの粒度になると思います。UATの計画を立てる際には、UATケースごとに、テスト担当者・実施日・テスト結果(OK/NG)を管理して推進していきます。

上記は、代理店管理の新規募集人登録(代申)のUATケース例です。
業務フロー(試験案内・申込⇒試験・結果通知⇒募集人登録⇒完了通知)に沿って、新システムで業務運用できるか検証するためのケースを整理していきます。また、シナリオに含めた確認観点も消化できるように作成します。
一つのUATケースごとに打鍵内容と検証項目(OKとなる条件)を定義し、1ケースに対してテスト実施と結果が管理できるようなフォーマットとします。上記のUATケース表はシナリオの数だけ作成することになるので、作成工数も踏まえてどのくらい細かく定義するかも考慮して進めます。
⑤ UAT推進でお困りの方へ
以上、UATシナリオ・ケースの作成方法を解説しました。実際のUATの推進でお困りの方、まずは壁打ち相手等でご相談に乗りますので、お気軽にご連絡ください。
UATシナリオ作成の基本的な考え方はこちらへ
(保険業務 UATシナリオの作り方 - ⓪大きな考え方 -)



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