損害保険の起源
- 俊輔 藤﨑
- 5月22日
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更新日:7月8日

損害保険がいつ始まったかは諸説あるものの、海上保険を起源として今日まで発展してきました。個人の相互補助を原点とする生命保険とは異なり、ビジネスにかかるリスクの引き受けを原点とし、そのビジネスに精通する保険仲立人の役割が大きいことが特徴として挙げられます。
始まりは古代の海の上
古代ギリシャ時代の海上輸送では、航海が失敗したときは金融業者が積荷の代金を支払い、航海が成功したときには金融業者に手数料を支払うという仕組みを商人たちが考え出しました。これは、「冒険貸借」と呼ばれています
中世に海上保険へ
その後14世紀になると航海で生じた損害をてん補することを約束し、その代価として初めに金銭を受け取る形式がイタリア商人によって生み出されました。契約書としての保険証券も発行され、これが「海上保険」として普及していきました
近代のロンドンで発達
17世紀のロンドン。エドワード・ロイドのコーヒー店で保険引受上の正確な情報が提供されたため、海運業者・貿易商・資本家が集まり、保険制度を高度に発達させていきました。これが後の「ロイズ保険組合」です

火災保険が誕生するきっかけとなったのは、1666年に発生した“ロンドン大火”です。これを契機に損害保険はビジネスだけでなく広く家庭・個人向けにリスクへの備えとして普及していきました。日本では明治時代に海上保険含む保険制度として欧米から紹介され、瞬く間に普及していきました。
ロンドン大火
1666年9月1日発生 4日間燃え続ける
シティの13,200戸(88%)が焼失
世界三大大火のひとつ
世界初の火災保険会社誕生
1667年 世界初の火災保険会社が誕生
建築業者兼医師のニコラス・バーボンが立ち上げ
他保険会社の参入
1680年初頭までに三つの保険会社が参入
ロンドン市も参入(2年で破綻)
保険会社の消防隊が公的消防署に発展
民間に広く普及 (産業革命への突入)
個人向けの保険商品として普及
新たな産業の支えとなり、産業革命に貢献
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