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損害保険会社の業務一覧

  • 2025年12月4日
  • 読了時間: 8分

更新日:6月6日

損害保険会社で行われている全体の業務内容を大まかに整理したいと思います。どの募集チャネルを主力とするか等で会社間に差異がありますが、損保業界に共通している基幹業務を中心に概要を記載しています。


まず、損害保険業界の商流(バリューチェーン)として、「商品開発/マーケティング」「募集」「引受」「契約管理」「損害サービス(支払)」「顧客・代理店管理」「資産・リスク管理」、その他一般企業と同様の人事・総務等の「コーポレート・インフラ」に整理しました。


各商流(バリューチェーン)ごとに、主に損害保険会社の組織図と基幹システムの機能分類を踏まえて、もう一段細分化した業務領域に分けています。業務領域(Lv.2)ごとに、主に業務プロセスを踏まえて業務名(Lv.3)に整理しており、この業務名(Lv.3)で各損害保険会社がどんな業務をしているかを説明しています。


Lv.2として、「商品企画・開発」「マーケティング」「募集(営業)」「代理店業務支援」「リスクコンサルティング」「計上(新契約)」「請求・収納」「異動」「満期更改」「損害サービス」「顧客サービス」「顧客関係管理」「代理店管理」「共同保険」「再保険」「資産運用・管理」「情報システム」「法務・コンプライアンス」「人事」「総務」「経理・財務」に分類・整理しています。


この記事の使い方(おすすめの読み方)


損保プロジェクトに初めてアサインされた方

まず全体の流れを把握するために、「ア. 商品開発・マーケティング」から「オ. 損害サービス」までを順番に一読することをお勧めします。損害保険の商流全体を「商品を作る→売る→引き受ける→管理する→払う」という流れで理解できます。

引受・契約管理システムに関わる方

「ウ. 引受(計上・収納)」と「エ. 契約管理(異動・満期更改)」が最も直接関連します。新契約から異動・解約・満期更改までの一連の業務フローを押さえてください。損害保険は短期・年払いが多く、毎年の更改処理が大きなボリュームを占める点が生保と大きく異なります。

代理店管理システムに関わる方

「イ. 募集」と「カ. 顧客・代理店管理」が中心領域です。損害保険では代理店チャネルの比重が高く、代理店手数料の精算・募集品質モニタリング・募集人管理など、代理店固有の業務が集まっています。

損害サービス(クレーム)システムに関わる方

「オ. 損害サービス」が直接関連します。事故受付から損害調査・示談交渉・保険金支払・支払備金管理までの業務フローを確認してください。損害保険固有の業務であり、生保の支払業務とは構造が大きく異なります。





ア. 商品開発マーケティング (R&D・MA) 損害保険商品を作る業務領域です。商品企画・設計から金融庁への申請・認可対応、販売準備まで、アクチュアリーや商品企画部門が中心となって動く領域です。マーケティング部門による広告・キャンペーン施策もここに含まれます。損保プロジェクトでは、商品改定・新商品開発に伴うシステム対応(保険料計算ロジックの変更・帳票改訂等)が発生するため、商品の仕様変更がシステムのどこに影響するかを把握することが重要です。 ▶ ア. 商品開発・マーケティングの詳細はこちら

ア-1. 商品企画・開発 (Product Planning) ア-1-1. 商品開発計画

ア-1-2. 市場調査(ニーズ分析)

ア-1-3. 商品設計

ア-1-4. 金融庁申請・認可対応 ア-1-5. 販売戦略策定

ア-1-6. 商品販売準備

ア-1-7. 既存商品メンテナンス

ア-2. マーケティング (Marketing)

ア-2-1. マーケティング戦略

ア-2-2. 販売チャネル開発

ア-2-3. マス広告

ア-2-4. Web・SNS広報

ア-2-5. キャンペーン運営

ア-2-6. 施策評価・改善


イ. 募集 (Distribution) 損害保険の「売り方」に関わる業務領域です。代理店チャネルが販売の主流を占める損保では、代理店への支援・教育・管理が業務の大きな比重を持ちます。また企業向け保険ではリスクコンサルティングが営業活動と一体となって行われる点が、生保の募集業務と大きく異なる特徴です。SFA・CRM・代理店システムとの関連が深い領域です。 (タイトルからリンクできます)

イ-1-1. 見込み客開拓

イ-1-2. 関係構築・情報収集

イ-1-3. ニーズ喚起

イ-1-4. コンサル・提案

イ-1-5. 申込・契約

イ-1-6. 満期フォロー

イ-2-1. 保険商品・制度の情報提供

イ-2-2. 営業施策企画・立案

イ-2-3. 大口顧客の開拓・深耕支援

イ-2-4. 教育・研修

イ-2-5. 挙績管理

イ-2-6. 代理店経営に関するコンサル

イ-3. リスクコンサルティング (Risk Consulting イ-3-1. 情報収集・調査(リスク特定)

イ-3-2. リスク分析・評価

イ-3-3. 損害防止・軽減策の立案

イ-3-4. リスクファイナンス設計

イ-3-5. 保険提案・契約

イ-3-6. リスクモニタリング

. 引受 (Underwriting)

顧客からの申込を受け付け、引受査定・契約を成立させる業務領域です。申込受付・引受査定・証券発行という一連のフローが含まれます。また保険料の請求・収納・未収管理・解除・失効といった収納業務もここに分類されます。損保の引受では、物件の種類・リスク特性に応じた個別査定が多く発生する点が特徴です。「計上システム(新契約システム)」「収納システム」と直接関係する領域です。 (タイトルからリンクできます)


ウ-1-1. 申込受付

ウ-1-2. データ取り込み

ウ-1-3. 引受査定

ウ-1-4. システム登録・計上

ウ-1-5. 証券発行

ウ-2-1. 保険料請求

ウ-2-2. 保険料収納

ウ-2-3. 未収管理

ウ-2-4. 解除・失効

ウ-2-5. 集団・団体扱い


エ. 契約管理 (Policy Mgmt) 契約が成立してから消滅または満期更改されるまでの「維持・管理」する業務領域です。住所変更・補償内容変更・解約・中断など、契約期間中に発生するあらゆる変更手続きが含まれます。損害保険は原則として1年単位の短期契約が多く、毎年の満期更改処理が大量に発生する点が生保の保全業務との最大の違いです。「契約管理システム(異動システム)」「更改システム」と直接関係する領域です。 ▶ エ. 契約管理の詳細はこちら

エ-1. 異動 (Policy Maintenance

エ-1-1. 名義・住所等変更

エ-1-2. 保険の対象変更

エ-1-3. 補償内容変更

エ-1-4. 払込方法変更

エ-1-5. 中途更改

エ-1-6. 解約 エ-1-7. 中断

エ-2. 満期更改 (Renewal

エ-2-1. 更新案内

エ-2-2. 更改申込

エ-2-3. 引受査定

エ-2-4. システム登録・計上

エ-2-5. 証券発行

エ-2-6. 自動更新


保険事故が発生した際に、損害を調査し保険金を支払う業務領域です。事故受付から損害調査・示談交渉(過失割合の調整)・支払査定・保険金支払・支払備金管理まで、一連の業務フローが含まれます。損害保険固有の業務領域であり、生保の支払業務とは異なり、相手方との示談交渉や物損・人身それぞれの調査対応が必要となります。支払の正確性・迅速性は契約者の信頼に直結する最重要業務です。 ▶ オ. 損害サービスの詳細はこちら


オ-1. 損害サービス (Claims Services

オ-1-1. 事故受付

オ-1-2. 事故・損害調査

オ-1-3. 過失割合・相手方調整(示談交渉)

オ-1-4. 支払査定

オ-1-5. 保険金支払 オ-1-6. 完了通知

オ-1-7. 支払備金


カ. 顧客・代理店管理 (Customer & Agency Mgmt)

契約者・代理店との関係を維持・管理する業務領域です。コールセンターでの問合せ対応・苦情対応・証明書発行などの顧客サービス業務と、顧客データの統合管理・分析・営業連携などのCRM業務が含まれます。また代理店の登録・募集品質モニタリング・手数料精算など、代理店管理業務もここに分類されます。個人情報保護法・保険業法の遵守が特に求められる領域であり、顧客サービスシステム・CRMシステム・コールセンターシステムと関連が深い領域です。

(タイトルからリンクできます)


オ-1-1. 異動・事故受付

オ-1-2. 証券再発行

オ-1-3. 保険料控除証明書発行

オ-1-4. 「契約内容のお知らせ」発行

オ-1-5. 顧客満足度調査(VOC)

オ-1-6. 苦情対応

オ-1-7. 問い合わせ対応

オ-2-1. 顧客情報の統合管理

オ-2-2. データ分析・活用

オ-2-3. 営業部門との情報連携

オ-2-4. 法令/規則遵守・モニタリング

オ-3-1. 代理店登録・管理

オ-3-2. 募集人登録・管理

オ-3-3. 募集品質モニタリング(点検・監査)

オ-3-4. 手数料精算

オ-3-5. 評価・査定

オ-3-6. システム運用サポート


キ. 資産・リスク管理 (Investment Risk Mgmt)

損害保険会社が保有する資産を運用・管理するフェーズの業務領域です。損害保険会社は保険料の収入と保険金の支払いのサイクルが短く、生命保険会社と比べると運用期間は短期志向になりますが、資産運用は保険引受業務と並ぶ重要な収益源です。また、共同保険や再保険もここに分類されます。再保険システム・資産運用管理システムは専門性が高く、会計処理(支払備金・ソルベンシー規制への対応)とも密接に関連します。

(タイトルからリンクできます)


キ-1-1. 共同保険の組成

キ-1-2. 幹事会社による引受・収納

キ-1-3. 非幹事会社への保険料分配

キ-1-4. 幹事会社による保険金支払

キ-1-5. 非幹事会社への請求・収納

キ-1-6. 共同保険事務の再委託

キ-2-1. 元受保険契約の引受

キ-2-2. 出再・受再契約締結

キ-2-3. 再保険料の支払

キ-2-4. 元受保険会社による保険金支払い

キ-2-5. 再保険金の請求・収納

キ-2-6. ボルドロ処理

キ-3-1. 運用企画

キ-3-2. 債券運用

キ-3-3. 株式運用

キ-3-4. 不動産投資

キ-3-5. オルタナティブ投資

キ-3-6. 特別勘定運用

キ-3-7. 為替・資金管理

キ-3-8. 運用・リスク管理


一般企業と共通する管理部門の業務領域です。情報システム・法務・コンプライアンス・人事・総務・経理・財務が含まれます。保険業界固有の要素としては、金融庁への報告・ソルベンシー規制への対応・AML(マネーロンダリング対策)・保険業法に基づく内部監査など、規制対応の比重が一般業界より大きい点が特徴です。情報システム部門は基幹系・情報系・チャネル系の全システムを管理しており、損保プロジェクトにおいては最も広いステークホルダーとなります。 ▶ ク. コーポレート・インフラの詳細はこちら


 ク-1. 情報システム (Information System

 ク-2. 法務・コンプライアンス (Legal Compliance Audit)

 ク-3. 人事 (Human Resources)

 ク-4. 総務 (General Affairs

 ク-5. 経理・財務 (Finance・Treasury



各業務領域のリンクから、業務プロセスごとの詳細な解説をご参照ください。

生命保険会社の業務一覧はこちらをご覧ください。



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